青函連絡船の思い出と我が人生航路 349

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             栄光の航跡ポスター 八甲田丸





      逆モーションの台風




台風10号が岩手県や北海道に大きな被害を出した、これまでよく見てきたが、知る限り例のない台風だった。まるで逆モーションから入り、進路の予測や対応が難しかったかも知れない。


青函連絡船の運航当時の、警戒体制について考えてみたい。古くは明文化されたマニアルは無かったが、昭和49年4月1日に「青函連絡船荒天時等の運航マニアル」が制定された。


昭和54年4月1日に一部改正されたが、基本的には当初から大きく変更はなかった。運航中止につながりやすい荒天、霧中、台風、津波などについて決めていた。


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             運航マニアル



台風については青森から900キロメートル南西サークルと、北緯42度、東経143度線に囲まれる地域内に進入した場合、針路や速力により本局(青函局)が警戒体制に入るようにしていた。



ここでは上記の中から、荒天関係だけについて考えてみる。いきなり運航休止するのではなく、ある条件になった時に、船長と海務部長が協議を行うことになっていた。



マニアル制定の約1年前の昭和48年に委員会が発足し、C/O(一等航海士)で委員を委嘱されて、その段階から船長として終航を迎えるまでに、ひとつの大事な法則のようなものがあった。


「函館・青森さん橋の気圧が1000ミリバール(ヘクトパスカル)以下の条件で、両さん橋の気圧差が5.0ミリバール以上、またはいずれかのさん橋に気圧下降率が5.0ミリバール/3時間以上の場合」


風は気圧の高い所から低い方へ吹き、地球の自転や摩擦により北半球では70~80度ほど右偏し、気圧差が大きいほど風速が強くなる。すなわち両地点間は約60海里あり、5ミリバール(現Hp)は大きく、これらの裏付けとなる。


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            青函航路図



因みにこれらは協議に入る条件であり、強風による運航休止の標準は次の通りだった。


「テヤマ(焼山埼沖)テカケ(海峡中央部)において、風速30m/sec以上が連続(2時間程度)して観測された場合、または30m/sec以上の風の連吹が予測される場合」



前号の航海保安係の、長期間にわたる収集資料など調査によれば、青函連絡船のウヤ(運休)とほとんど合致した。他社の青函航路や津軽海峡において、今も通用する法則として参考になると考えている。



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             夏に咲いた紫紺ノボタン





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この記事へのコメント

mukasinohito
2016年09月14日 23:48
「逆モーションの台風」とは、旨い表現ですねそれにしても今年の台風は異常です、6月まで発生ゼロでしたのに、続けて3個も上陸して甚大な被害を及ぼし恐ろしいですね、現在14号が台湾で猛威を奮っているニュースがありましたがスーパー台風だと云っていました、年々台風の威力が増大して来ています、増々被害が大きくなると数年先はどうなる事でしょう、その前に台風16号が週末に来襲しそうで対策を充分にして置こうと考えています。
2016年09月16日 23:06
今年は北海道と東北方面の被害が多かったのも、異常だったでしょう。
特に北海道中央部の、知人の多くからの知らせでは、かなりひどかったようです。

台風は遠く離れていても、前線を刺激して大雨になったり、待機の不安定から異常なことが多いようですね。

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