青函連絡船の思い出と我が人生航路 630

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        函館港と青函連絡船(函館パンフレッドより)










青函連絡船沈没のナゾ
通学する中学校の掲示板に、子供新聞が貼られ、青函連絡船洞爺丸の沈没が、生々しく掲載されていた。



子供なので深い意味は理解できないが、大ごとであることは想像できた。



船員の道に進み外国航路の船内に、青函連絡船に関わる文献が多くあった。働いてみたい気持ちもあり、かなり勉強できた。



やがて青函連絡船に再就職し、外側から見ていたことを、立場を変えて対応となった。



洞爺丸台風事故の概況などは、随所に綴ってきたが、国内最大の海難事故で、私などが語れる立場にもない。



少し注目し気がかりな点を考えると、沈没した青函連絡船5隻は、全船で貨車を搭載していた共通点があった。


手元に資料がなく羊蹄丸型の記憶によれば、青函連絡船の復元性は大変よかった。



基準になるGM(メタセンター高さ)は、空荷で1.97m、最悪の満載(燃料100%使用)でも0.80m以上である。



物理的な海水流入角は42度程度で、青函連絡船の傾斜計は、かなり精度が高かった。経験から一般商船は多めに出るが、青函連絡船の傾斜角は辛めであった。



すなわち外航貨物船で15~20度のローリング(横揺)は、積荷の種類にもよるがそれほどでない。青函連絡船で15度も傾けば、ぐっと響いてくる感じであった。



たびたび述べているように津軽海峡では、季節風によるウネリ波とも、波高は6mぐらいになる。



強風時に上り便の福浦埼付近で、のぼせていたコースから、変針は波浪の衝撃が大きかった。大縄跳びに入る要領で、昼間は波を見ながら、呼吸を合わすタイミングで舵を切った。



じかに航海の安全に影響は少ないが、一発大波もあり動揺は少なくしたかった。








ナニワノイバラ一輪P5071704.jpg
       ナニワノイバラが一輪






復原力は限界を過ぎると急に消失し、いろいろな実験結果も証明されている。



外航貨物船で船体動揺による事故の経験や、同型船の事例などからも、ある法則のような現象もみられ、先の沈没の推察をしてみた。



貨車という重く安定性が悪い積荷の、鉄道連絡船の特質も大きかったのだろう。



洞爺丸の状況は詳しく公表されているが、その他貨物船4隻が一瞬にして沈没したのは共通の厳しい条件だったのだろう。



台風の強風が主因に違いないが、動揺が激しく復原力が減少したところ、貨車が一度に落下するよう、移動したことが想定できる。



船は自然が相手で思い通りにならない事が多く、長く携わった者として、勉強不足もあってか、わからないことが多い。



くしくも豪華客船のウイルス感染があり、これら新鋭船は安全神話があるが、何が起こるか分からないのが、海であり船舶だろう。



荒天にも安全な設計だろうが、洞爺丸台風級の56m/secか、それを超える大しけ、大震災のような大地震や津波と、水深の関係など心配はある。



コンピューターの故障は対応済みだろうが、怖いのは誤作動である。何が起こるか分からないと、航海関係者だけでなく、コロナが落ち着いたら、国家として考えていただきたい。
























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この記事へのコメント

mukasinohito
2020年05月23日 22:02
中学時代から青函連絡船洞爺丸の事故を知って、おられたようで相当なインパクトが有ったのだと思います、当時将来青函連絡船で勤務されるとは思ってもいなかったでしょうが。題が「青函連絡船沈没のナゾ」となっていますが、towadamaru7さんが云われている様に、十分な復元性能が有り、貨車を積載した5隻が沈没しており、私も貨車の移動が原因だと思います。
towadamaru7
2020年05月24日 21:26
中学校に掲示板に、壁新聞のような、いろいろな張り紙があったと記憶しています。
確か朝日子供新聞だったかと思いますが、転覆の船底など、何枚かの写真が載っていました。
まさかのちに、ここで働くとは不思議な運命でした。

貨物船の沈没は、いろいろ要因が重なったのでしょうが、貨車の急激な移動が大きかったでしょうね。
3000トン以上の船が、一瞬に転覆はそれぐらいしか、考えられないでしょうか?