青函連絡船の思い出と我が人生航路 352

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        会議にもいろいろ



通勤などは何処の職場でも大差はないが、船にいったん足をかければ、いろいろな危険が待っている。デッキ(甲板)は鉄板から化学製品まで滑りやすく、水分や油脂の付着によりさらに増大する。


船体の動揺で転倒やスリップの危険が多く、ワイヤーの取扱いや、回転体に接する作業が多く、ちょっとした気のゆるみから、傷害事故に結び付く事がある。


日常のことではないが、ボートの揚げ降ろし作業や、限られた職種ながらマスト上部に登り、航海灯の電球の取替などは、一歩まちがえば命を失いかねない。


一般商船では荷役作業など更に多いが、鉄道連絡船では特有のものがあった。車両甲板に貨車の積みおろしで、4本のレールが敷かれており、警報機や遮断機の無い踏切のようである。


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             船と陸をつなぐ可動橋(船尾扉半開)



直接貨車作業に当たっている乗組員や陸上関係者は、もちろん注意を払っているが、水漏れや電気関係など全く別の件で、車両甲板に行き運悪く貨車が進入、はねられる触車事故になれば悲惨である。


線路と平面交差する一般道路でも、踏切は何となく恐怖感があり、徒歩であろうが車を運転して渡っても、昔から現在に至るまで不気味な気持は変わらない。


船では特殊性に鑑み船員法、船員労働安全衛生規則など、多くの法律や規則に規定されている。青函連絡船においても規程や安全管理体制が、こと細かく決められていた。


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            ボートダビット収納ボート



そのほか作業別に定めた安全作業内規もあり、この種のものはあまり面白くないものが多いが、安全は大切でお守りのようでもあった。



青函連絡船では各部、各組で安全分科会が行われていた。これは決められていた通り月1回、サロンクラスの幹部が司会し、各部別にしていた。


因みに連絡船安全管理組織では、主任安全管理者は船長、安全管理者は機関長、副安全管理者は一等航海士、一等機関士、通信長、事務長と決められていた。


安全主任は二等(航海士・機関士・通信士)首席事務掛、副がサード(三等)クラス、班長が各職長クラスのほか推進員も決められていた。ほとんどの乗組員が役職ながら、本人も知らないような有名無実の面もあった。


自分で分担する甲板部の安全分科会は、安全に関連の件は当然であるが、この機を利用してあらゆる意見交換の場にもした。船は規律が厳しいので、どうしても不平不満も多いはずだった。


よほど外れたことが無いかぎり、直接言い難い場合がある。自由に発言できれば、最初は遠慮がちの人も積極的になった。ハードルを下げ気楽な場で、意見を引き出すようにし、自分たちで決めできることは必ず実行した。



同じ船でもほかの組との関係もあるし、間違ったことは出来なく限定されたが、やはり自分たちの決定に意義があるようだった。大事なことの伝達や説明にも役立ったので、安全分科会は良かったと思っている。


もうひとつ意思疎通を図るために、サロン会議があった。名前の通りサロンクラス全員の、船長、機関長、一等航海士、一等機関士、通信長、事務長によるものだった。

局(管理局)の通達、施策や会議から、現場長である乗組船長(A組)の指示や意向に沿い、船の基本方針を各組で円滑に遂行するものだった。


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           たますだれ



3組(または2組)体制で、全乗組員に周知するため各組への、伝達に動脈の役割があった。事務長が議事録をまとめ、各職で引継ぎ徹底を図った。



議題は船舶事故、安全管理、提案審査、増収活動、輸送説明、接客態度、広域異動、人事調書ほか時には㊙扱いもあった。


大して重要事項がない時など、下船後に船外会議と称し、どこかの居酒屋で一杯飲みの延長戦に発展する事もあった。また異動時期には顔合わせや、送別会と理由に不自由することはなかった。


これらの会議はなるべく特別な行事の無い、一乗(一航海往復)便を利用することが多く、航海当直の支障が無いところを選んでいた。一般に無駄な会議が多いなかで、役に立った代表だったと思い出している。


この記事へのコメント

koutei
2016年09月18日 10:01
情報提供:9月21日22:00からNHKBSプレミアムで進め!「青函連絡船」(吉田栄作、平泉成)の番組があります内容はよくわかりません。まずはお知らせまで。
2016年09月18日 11:19
ご連絡ありがとうございます。
いろいろ各方面からメールでお知らせもいただいています。
海峡ラーメンがメインのようですが、私からもいろいろと皆さんに、お知らせしているところです。

BSが見えない方々もNHK総合の「スタジオパーク第2部」(前日と当日14:05~ )などで内容は分かりませんがいろいろあるようですね。
八甲田丸が映れば、よいでしょう。
ぜひ見ようと思っています。

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